限界集落を再生する

団地というのは、
できた当初は若い家族が多く入居していて、活気あふれる街を作りあげますが、
20年も経つと、建物自体も老朽化し心細げに見えますし、
入居者の年齢層が上がると共に、若い人が出ていってしまうことが重なりますと、
何とも寂しい空気にまとわれてしまいます。

団地の雰囲気は、入居メンバーの入れ替わりや、建物の補修などによって変わることが容易に期待できますが、
集落となると、その衰退を止めることはそう簡単にはいきません。

『五島列島ファンクラブ』が推進している地域再生の拠点となる“半泊”は、
現在、5世帯の限界集落(65歳以上の人口比率が50%以上の村)になっています。
限界集落に対して何の手当てもなされなければ、消滅集落となり、廃村となり、
活気のある景観も、そこに暮らした人々の息吹や文化も消滅してしまいます。

五島列島には、多くの限界集落が存在していて、消滅の危機に瀕し、
現在生きている人にとっても、これから生まれてくる人々にとっても、大変勿体ない状況にあるのです。

そもそも五島列島は、
江戸時代のキリスト教弾圧から逃れてきた人々が移り住んで集落を作り上げてきました。
海の恵みを頂くと共に、土を耕し田畑を開墾し、半農半漁の生活を打ち立てました。
弾圧を逃れる為とはいえ、外界から閉ざされた世界で生きていく知恵を絞って、
静かに生活してきたのです。

そこに出来上がった、『自然との共存』という生活方法は、
引き継ぐものがいなければ、無に帰してしまいます。
一度手を入れた自然には、手をかけ続けなければならないのです。

そんな限界集落を再生させることを目指して、
『企業組合・五島列島ファンクラブ』は立ち上がりました。

代表は東京で生まれ育ったIターン移住者です。
数少ない住民ですが、現役で漁業も農業もできるうちに、
技術を伝え、自然を守っていける手当てを施したい思いで活動されています。

半泊を“大丈夫村”に、というスローガンを掲げて、
人が住むことによって守られる自然と、
自然によって生かされる人々の生活というものを実現させようとしています。

すでに、半泊の生活を体験するツアー参加者も増えてきている状況ですが、
道まだ半ば、と張り切っておいでです。